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費用対効果を最大化するには?在庫回転率とリードタイムの密接な関係

費用対効果を最大化するには?在庫回転率とリードタイムの密接な関係

倉庫担当者に捧ぐ 在庫管理の費用対効果

 

物流を専門とする企業では、ピッキングシステムの導入件数が増加し、年々作業の効率化が進みつつあります。その一方で、メーカーやECサイトでは在庫管理が徹底できていないケースがいまだに多く見られます。在庫管理の方法を少し見直すだけで大幅なコスト削減が見込まれるのは、想像に難くありません。今回は倉庫管理でお困りの担当者様向けに、在庫管理の重要性や効率化の方法をご紹介します。

 

過剰在庫のはらむ危険性 

どんな物流倉庫であれストックできるスペースは有限であり、ましてや小規模なメーカーやECサイトでは賃貸料を支払っているというケースが多いのが実情です。物流倉庫の過剰在庫は保管費用によって利益を圧迫し、品揃え(商品のバラエティ)を悪化させる原因ともなります。さらには在庫の長期化が起こって製品の劣化リスクにもつながりますし、手持ちの現金が減ってしまうためキャッシュフローも圧迫するため、できる限り避けなければなりません。

その一方で、欠品が起きるとたった一度のことでも顧客離れにつながる懸念が出てきます。そこで、在庫管理の適正化が重要となってくるのです。

 

感覚でやってない?在庫管理はロジカルに

在庫の発注を担当者の感覚に頼ってしまっている企業がいまだに多いという事実がありますが、その方法だと担当者が変わることでサイクルが乱れたり、ヒューマンエラーを起こしたりといったロスが心配です。発注の根拠が明白となる、よりロジカルな在庫管理体制に切り替えましょう。ここで重要な根拠となるのが、製品ごとの「在庫回転率」と「リードタイム」です。

 

在庫回転率(年間の在庫回転数)

年間売上高÷在庫金額

リードタイム

1年÷在庫回転率

 

 

上記の計算式で商品ごとの在庫回転率とリードタイムが求められます。在庫回転率とはその名の通り、在庫商品(棚卸資産)の金額と販売商品の金額の比率を出すことで商品の回転率を求めるものです。数字が大きいほど資本効率が良いとされています。

リードタイムとは製造業では製品の製造を開始してから完成するまでにかかる所要時間、卸業では仕入れから販売までに要する時間のことです。時間が短いほど健全経営とみなされます。

たとえば、年間12回転する商品なら、1か月分の売り上げにあたる在庫を確保しておけばリードタイムが賄えるという計算になります。欠品を防ぐため、リードタイムよりも少し余裕を持たせた在庫を確保しておくのが一般的です。

発注ラインを決める根拠として、積極的に活用してみましょう。

 

流行の変化やイレギュラーな状況に対応する在庫処分のルール化

計画的に在庫を確保していても、流行の変化などで在庫の回転率が悪化してしまうことは避けられません。新製品であれば、在庫回転率を見込むのも大変でしょう。

イレギュラーな在庫に対応するために、期間に応じた価格変更のルールを予め作っておくと良いでしょう。例えば次のようなルールです。

 

価格

在庫期間

定価販売

1ヶ月以内

20%off

1~2ヶ月

仕入れ価格で販売

2~3ヶ月

投げ売り価格で販売

3ヶ月~1年

廃棄

1年以上

 

いつまでも在庫を抱えていると、保管費がのしかかって来ます。思い切った価格設定で在庫を処分してしまった方が利益を確保できます。ルールは定期的に見なおして、修正する必要があります。

 

ピッキングシステムの導入も検討

近年ではECサイトなどの小規模な小売業者にも取り入れやすい、比較的安価なピッキングシステムも登場しています。たとえば高速自動切り出し装置(スペースストレージ)や層別ピッキング装置など、業種によって適したピッキングシステムが複数存在します。システムを組み込むことにより在庫状況が正確に把握できるようになり、ピッキングミスの防止にもつながりますので、ぜひとも導入を検討してみましょう。

 

 

おわりに

在庫管理をする上で欠かせない「在庫回転率」と「リードタイム」について見てきましたが、いかがでしたか? 自社の在庫がどのような状態なのかを知ることで、次にどう動けばよいかが自ずと見えてきます。さらに適切なピッキングシステムを導入することで、より一層の現場効率化が図れます。流行がかわるなどの大きな市場変化が起こると、さばけない在庫が負の資産になり兼ねません。適切なタイミングで過剰在庫の一掃セールをかけるなどして倉庫のスペースを確保し、利益を増やしていきましょう。

 

 

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